アルゴリズムの罠

2018年1月12日にFacebookの株価が少し下がった話について思った事。

jp.techcrunch.com

別にFacebookに肩入れしているという訳ではないけれど、この動きは大変興味深いし、個人的にはこの流れに各社追従してくれたら良いなと思う。

僕はメソテースや中庸という概念に肯定的で、何かを盲信したり感情や思考が傾斜する事は避けたいと思っている(そういった概念や哲学に傾倒しているとかそういうのは一旦棚に上げて)ので、それが仮に自分の好みのアルゴリズムに基づいた結果だろうと偏った情報をしかも無意識に近い状態で得ている状況はなるべく避けたい。人間である以上、何かしら思想は持っていて何かしら偏ってはいるものだけど、アルゴリズムはその偏りを過激にし得るし、過激な思想は対話の機会を損失し得ると想像できる。

自分(とパブリッシャー)にとって今は心地の良いものでも、後々の自分の思考や社会にとって致命的なダメージを与えかねない、という話。

あと単純に、寄り道や雑談とか、日常の中に非効率と呼ばれるノイズは必要だと思っていて、そのノイズは視野を豊かにしてくれるとも思っている(し、その方が楽しい。サービス開始初期のTwitterとかいい感じのノイズ感あった)。

 

20世紀、利便性の代わりに気づかぬうちに地球環境を破壊したように、今はアルゴリズムによって無意識に視野の広さや思考能力を失っていくように感じる。

 

というか、5%も株価下落するのかー。いやわかってはいるけども。

もちろん5%しか下がっていないと捉えられるけど、個人的には、まだこんなに下がるのかという印象。

ただこの判断をしたという事は、Facebookは目先の収益よりも社会性や信頼と持続による長期的な収益を選んだと少なからず言えるのだと思う(たとえそれが表面的な事だとしても)。

社会のニーズより大衆のニーズの方がお金になると開き直ってるような俗っぽい風潮はそろそろイケてないので、社会にとって価値のある起業や人に投資される時代になって欲しい。

 

大衆が力を持ちすぎるのもあまり良くないってオルテガさんも90年程前に言ってるよ。 

大衆の反逆 (中公クラシックス)

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